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死刑制度について

「13階段」(作者:高野和明さん)を読みました。

 内容は「死刑」がテーマになっていますが、作者の表現力で非常に分り易くなっています。特に「死刑」の矛盾点や「死刑」に係わる方々の苦悩については非常に考えさせられました。

■死刑の分岐点
 ・殺人の人数が
  1)1人の場合、無期懲役
  2)2人の場合、
    「改悛の情」がある場合、無期懲役
    「改悛の情」がない場合、死刑
      ※矛盾点:「改悛の情」を本当は他人には判断できないのに、
       「改悛の情」を基準にしている。
       「改悛の情」判断基準
         ・法廷で涙を流したかどうか
         ・遺族への賠償金の多く支払った
         ・拘置所に仏壇をつくった
         つまり、金持ちで涙もろい人は、死刑になりにくい。
      ※矛盾点:「改悛の情」を表現したくともできない状態の場合でも
       「改悛の情」が無いと見なされる。例えば、この著書の中では
       記憶喪失を例にしています。
  3)3人の場合、死刑

■加害者の経済能力
  経済能力の無い加害者が殺人を犯した場合
 ・民事訴訟で損害賠償を要求しても期待できない
 ・国の被害者給付金は約1千万円
   → 国の認めた人の命の値段は約1千万円と言う意味です
 ・国の被害者給付金の請求は2年経過すると請求できなくなる
 ・加害者の経済能力に関わらず、刑務所内にいるうちはご飯の心配はいらない

■死刑の執行
 ・死刑が確定した後でも、心神喪失と認められれば執行が停止され、そのまま
 回復不能と判断されれば死刑は執行されない。
 ・死刑の執行は国会の閉幕中が圧倒的に多いのは、国会の開幕中に死刑を
 執行すると質問が集中する為です。更に内閣改造の直前が死刑の執行が特に
 多いのは、法務大臣が辞める直前に死刑執行の命令書にサインするケースが
 多いからです。選挙の際のイメージダウンにならない様にしたいんですね。

■恩赦の基準が無い
  恩赦は罪が確定している者にしか適用されない。
 昭和天皇が崩御された時に、恩赦を期待して死刑判決を争っていた数名の
 被告人が自らの上告や控訴を取り下げた事例があったそうですが、この時の
 恩赦は軽微な罪だけに限定された為に、結局自らの死期を早めてしまった。

■無期懲役について
  海外の終身刑とは違い、法律上は服役してから10年で仮釈放が可能であり、
 平均で約18年で仮釈放になっている。
  また、無期懲役の仮釈放が取り消しされた場合は、次に釈放されるのは誰に
 も分らない。その為に、この事例で自殺した方もいたそうです。

 

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コメント

TB&トラックバックありがとうございます。昔ならいざしらず、このようなストレス社会で暮らしている人間が、いつ何時精神に異変をきたすか分かりません。そういった意味で、死刑制度はなくすにしても、継続するにしてもその判断基準をもっと明確化すべきであると思います。

投稿: ろでます | 2005.06.12 12:41

ごもっともです。
死刑のことを少しでも考えると誰もが多少の矛盾を感じるはずなのに、政治家の方々は見て見ぬふり・・・
障害者の問題もそうだが、全て官僚まかせの体質は何とかならないのかなぁ?

投稿: 鯨影 | 2005.06.12 17:43

TB有り難うございました。
『13階段』はまだ読んだことがないのですが、「死刑制度」を問う作品とのことでまた読んでみようと思います。
「理由があれば人を殺してもいい」という野蛮な思想からいつ離れられるのでしょうね。
8割もの国民が「死刑制度」を容認している日本で「裁判員制度」を避けたいと考えている人が多いのは何故なのでしょうか。
考えなければいけないことは、たくさんありそうですね。

投稿: KAZE | 2005.06.15 21:25

臭いものに蓋。
自分はいいけど、他人はダメ。

悪い意味での個人主義が横行している日本では
難しい問題なのでしょうか?
せめて、国会程度の話し合いの場で論じて合って
欲しいものです。

投稿: 鯨影 | 2005.06.18 00:12

ぶっちゃけ、死刑って必要なん!?って思ぅょなぁ。

投稿: 宇瑠虎満 | 2005.11.05 10:32

被害者の家族の心情としたら必要なんでしょう。
でも、記憶が薄らぐと言うか記憶が無くなる位の
時間をかけて裁判を行ったり、無期懲役の囚人
の為に税金をかけて生かすより・・・と言う話も
あるかもしれませんよ。

投稿: 鯨影 | 2005.11.05 17:02

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